平成30年 ねぶた下絵
題材 おしら様
私が子供の頃、本家におしら様が祀られていた。
祖母がおしら様を両手に持ち、痛いとことをシャンシャンと
たたいて直してあげていたものである。
おしら様は、東北地方で進行されている家の神で、一般には
蚕の神、農業の神、馬の神とされる。
ご神体は桑の木で作った一尺程の棒の先に、男女の顏や馬の
顔を書いたり掘ったりしたものに、布きれで作った衣を多数重ねて
着せたものである。
男と女、馬と娘、男と男など二体一対で祀られていることが多く、
特に青森県、岩手県で濃厚に残っている。
昔、ある農家に嫁がおり、家の飼い馬と仲が良く、ついには夫婦に
なってしまった。
娘の父は怒り、馬を殺して木に吊り下げた。
娘は馬の死を知りすがりついて泣いていると、父はさらに怒り、
馬の首をはねてしまった。すかさず娘が馬の首に飛び乗ると、
そのまま空に昇り、おしら様になったという。