青森県の板金業は、雪対策とともに発展してきた、といっても過言ではありません。毎年のように分厚く屋根に積もる雪からどうやって家や人を守るか、冬の厳しい北国ならではのニーズに応えるための知識と技術の蓄積が、私たち青森県板金工業組合加盟店を特徴づけているともいえるでしょう。
とりわけ重要なのは
融雪屋根
屋根にヒーターを取り付け、雪庇が形成されないように雪を融かします。電熱ヒーターを屋根に直接取り付ける電気式と、ボイラーからの温水を配管を通じて屋根まで引く温水式があり、建物の構造や環境によって適切な方式を選択します。電気式の場合、東北電力の融雪電力契約を利用すれば、通常のおよそ1/3程度で電力をまかなうことができますので、ご相談ください。
無落雪屋根
屋根自体の構造を利用して雪庇を軽減する工夫として、屋根に急な勾配をつけて雪を屋根に積もらせない三角屋根などがありましたが、屋根から急に雪が落ちてきたり、転落事故が起きやすかったりと危険なため、あらたな工法の登場が待たれました。そんな中、三角屋根と全く逆の発想で注目を浴びたのが、無落雪屋根です。
無落雪屋根は、「雪を落とさなくても良い屋根」と誤解されがちですが、本来は「雪が落ちない屋根」の意味です。そのため、従来の雪止め構造やルーフフラット方式などでは、雪が屋根の上にとどまり続けるために建物に荷重がかかり、きしみやゆがみの原因になりますが、屋根に雪を通すための樋を施設して、そこから屋内の暖房熱で融けた雪を排出する、スノーダクトドレン方式を採用することで、屋根の上の雪の量を緩和することができます。特に雪深い津軽地方などでは、この方式を推奨いたしております。
雪庇の豆知識
- 青森県に吹く風の80%は西風なので、雪庇は建物の東側につきやすいといえます。そのため、雪庇対策の優先順位は、東→北→西→南、となります。
- 雪庇対策をする際は、対策する側の隣地との幅が狭すぎると、トラブルになることがあります。あらかじめ確認しましょう。
- どの家も雪庇に悩まされる青森県には、瓦業者がありません。瓦屋根では雪庇対策ができないからです。